FC2ブログ

「海の幸」青木繁と久留米の美術

2008年11月24日
重要文化財「海の幸」は、美術の教科書には必ず載ってますね。
画家のジャンルに「早逝の画家」があるような気がしますが、青木繁(28才)はその代表でしょうか。画家の自画像を見ると、早くに逝ってしまう人は、何となくわかることありますね。なんだろう、ギリギリの所に存在していることが、自画像に顕著に現れるような。

「海の幸」は、千葉の海にスケッチ旅行に行ったことがきっかけで生まれた作品ですが、実際の漁を写実的に描いたのではなく、漁師をモデルにしたけれど、全体的な構図は青木の創作です。一見ありそうな昔の漁風景ですが、たしかにこの風景は、どこでも見たことがありませんね。
当時彼が興味を持っていた神話世界のようにも見えます。目の粗いキャンバスに金泥を使っていますが、今となるとわかりにくいです。

今回は赤外線撮影で、創作過程も探っています。
完成した作品の荒々しいタッチ、早熟、短命な天才、まして心身を病んでいたというと、感情のおもむくまま、一気に描き上げたように思いますが、実際は何度も描き直され、綿密に構成を考えていたことがわかります。

子供の頃、教科書などで見ていた時は、べたっとした暗さが感じられ、寒村の貧しさを描いたのか?子どもには、ちっとも良さがわかりませんでした。
こうして実際に見ると、くっきりして力強いタッチの線描がパンチがきいていいます。荒々しくも美しい。暗い茶色に見えていたのは、どちらかというと赤銅色で、海に生きる人々のたくましさ、生命感を感じます。
少しだけロマンチック、日本というより、タヒチとかポリネシアの雰囲気に近いかもしれません。
時間をかけて対峙していると、暗さは全く感じないし、画家にもそういう意図はないことがわかります。

青木と同世代の坂本繁二郎の作品もありました。代表作「放牧三馬」など、人物画も有名ですが、私はスケールが大きく感じられる水彩の風景画がいいなと感じました。

「海の幸」青木繁と久留米の美術(石橋美術館所蔵名品展)

美術館周辺の紅葉も終わりですね。

sora
関連記事
アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示