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上岡敏之指揮 ヴッパータール交響楽団

2010年10月14日
ワーグナー:ジークフリート牧歌
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
アンコール
モーツァルト:交響曲第41番ジュピター第4楽章

ヴッパータール交響楽団も上岡敏之さんも、よく存じ上げてはいませんでした。
今年はマーラー生誕150年、たまにはマーラーもいいかと出かけましが、これが予想を遙かに上まわる楽しさで、大満足でした。

「ジークフリート牧歌」の演奏が始まってすぐ、ああ、私の好みのオケだなと思いました。優美で軽やか、ドイツらしい重厚な音をイメージしていたので少し意外でした。
プログラムによればジークフリート牧歌は、ワーグナーがリストの娘であり妻コジマの誕生日に贈った曲だそうです。ジークフリートは1歳6ヶ月になる息子の名前。
誕生日の朝、自宅の吹き抜けで演奏したそうですが、明るい朝の光が似合いそうな美しい曲でした。

マーラーの5番は、演奏時間が軽く1時間を超えるので、途中飽きてしまわないか気がかりでしたが、演奏が進むにつれ逆に興奮の度合いが増してくる感じでした。
トランペットのソロで始まる第1楽章は、荘厳で構築されたイメージ、そこからドラマチックに展開していきます。
終始管楽器がリードしていくんですね。
第2楽章、第3楽章、どんどん華やかに、そして情熱的に、激しく、こちらの気持ちも高ぶり、引き込まれていきます。
第4楽章は一転して、ハープと弦楽器が主役、なんと繊細な美しさ、うっとりと聞き惚れました。
そして最終楽章、怒濤のエンディングへと突き進みます。

プログラムによれば、第5番の作曲にとりかかっていたマーラーが、運命の女アルマに出会い、第4楽章の「アダージェット」の手書きの楽譜を手紙に添えて、愛の告白をしたと伝えられています。
この曲は映画「ベニスに死す」で有名ですが、私にとってはバンクーバーオリンピック、フィギュアスケート(アイスダンス)金メダリスト、テッサ・バーチュー&スコット・モイア組のフリーダンスとしてのイメージが強い曲です。
アイスダンスでマーラーとは?正直懐疑的でしたが、大会を重ねることに完成度を増し、バンクーバーでの演技は神がかりといってもいい程素晴らしかったと思います。
コーチであり、振付のズエワさんは「スコットがテッサに結婚を申し込む(設定)」と話していましたが、これはマーラーのエピソードに沿っていたんですね。

バンクーバーのFDはダイジェスト版しか見つからなかった…1分56秒からアダージェット
Vancouver 2010 バーチューモイア

こちらはワールドのフルバージョン
バーチュー&モイア組のFD(2010ワールド)

今回、こんなにマーラーに引き込まれるとは…輝くような生命感にあふれていました。
私は、クラシックの専門的、テクニック的なこと、たとえば曲の解釈とか…はまるでわかりまません。
せいぜいチケットの値段でオケのランクを想像するくらい(汗)
ですが、こんな風に心を動かされると、そうした時間を過ごすことができたことの喜びがまず大きくて、細かいことはどうでもいいかという気分になってきますね。

上岡さんはひょろっと手足が長く、指揮が大きく見えます。場を支配するというより、優しくて乗せ方がうまいという感じ。
アンコールのモーツァルトも良かったです。
あまり大きなホールでなかったのも良かったのかもしれません。
名の知れたオケではないからか、この日は8割程度の入り、演奏終了後、熱気をおびた拍手がおくられ、スタオベの方も。


マーラー:交響曲第5番マーラー:交響曲第5番
(2010/09/22)
ヴッパータール交響楽団 上岡敏之

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上岡氏のユニークなプロフィールやヴッパータール交響楽団については、ネット上でもかなり詳しく知ることができます。
ヴッパータール交響楽団は歴史がありながらも、近年の評価は今ひとつだったようで、上岡氏が音楽監督に就任し立て直したという経緯があるそうです。
演奏終了後、上岡氏のサイン会があるというので、CDを購入しロビーの列に並ぶ私。
待ち時間の間、周囲のおしゃべり(サイン会に並んでいる人以外)を聴いていました。
「音が響きすぎて何の音かわかんないよ…」
「ドイツのオケは、会場で音変わるんだよねえ…ああ、うん…上岡さんなら(会場にあわせて)調節できるんじゃない」
「今日は音のバランスが良かったよ」
ウンチクをくどくど述べる人がいろいろ(汗)

話が前後しますが、この日は昼の公演、私は駐車場を確保するため早めに来て、車の中で休憩しながら入ってくる車を見ていました。
このホールのお客さんは、普段地元在住の年配のご夫婦やご婦人のグループが多いのですが、なんとなくいつもと雰囲気が違う。
まず、他県ナンバーの車が多い。そして他県ナンバーの車から降りてくるのは30~50代位の男性一人、しかも普段着(汗)
着飾るとまでいかなくても、おしゃれしていらっしゃる普段のお客さんとはだいぶ違います。もちろんそういう人ばかりではなくて、私のような地元民もいます。
客席で、私の隣にいたのも男性一人客、そして演奏中ずっとメモをとっていました。
ブログに書くのか、批評をどこかで開陳するのか…って、お前はどうなんだ!突っ込まれそうですが(滝汗)

というわけで、ロビーでの会話もなるほどと(笑)
上岡さん目当てか、マーラー好きなのかまではわかりませんが、まあ、その…オタク濃度の高い会場だったんです(笑)
サイン会が始まると、優しそうな上岡さんの笑顔が印象的でした。言葉を交わす時間もとってくれたり、握手もして頂きました。
私の少し前にいた中学生の男子は「今度はマーラーの1番をお願いします」ときっぱり。
若干動揺の上岡さん「え…えーと、じゃ、いっぱい練習しないと…」
なんて場面も。

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音楽・舞台 | Comments(3) | Trackback(0)
Comment
No title
こんにちは。久しぶりにお邪魔します。
いいコンサートだったようですね。マーラーは何度か聴いたことがあるのですが、いったい何番だったのやら(汗)。そのつど楽しまないわけではないけれど、私にはすこぅし荷の重いことが多いです。

それはさておき、コンサートのメモ取り男性客、私も遭遇したことがありますよ。去年、大野和士指揮+リヨン管のコンサートに行ったとき(マーラーではなかったです)、近くの席にいました。そして、このメモ取り男性客、なんと、そのことを巡って、休憩時間に左隣の人と口論になっていました。

左隣「目障りだから、メモを取るのをやめてくれ!」
メモ男「そんなことは私の勝手だろう。音は立てていないはずだ」
左隣「目に入って、気が散るんだ!」
メモ男「だったら目を閉じて聴け!」
右隣「まあまあ、お二人ともよしなさいよ。何だったら私が席を替わりますから」

…てな具合でした。ちなみに、最後に登場した右隣の男性は、無関係な第三者です。ことの顛末は、よかったら私のブログをご覧ください。TBさせていただきました。あんまり面白かったので、私など、この件だけで記事を1つ書いてしまいましたよ。クラシックのコンサートに1人で来る男性客は、ちょっと独特の感じがありますね。
No title
再び、こんにちは。
TBできなかったようなので、該当記事のURLを貼り付けにきました~。

http://nomaiga.exblog.jp/11549009/

NOMA-IGAさん
コメントありがとうございます。
マーラーはそれほど聴く機会もなく、どちらかいうと食わず嫌いだったかもしれません。
専門的なことはわからないので、批評はできませんが、とてもいい時間を過ごした…ということで十分満足できました。

人が集まるところでは、いろいろおこりますよね(苦笑)
NOMA-IGAさんのブログの記事、もちろん覚えてます。
「大野和士指揮+リヨン管」であれば、上岡さんより注目度は高いでしょうねえ(苦笑)それだけ気合いをいれていらっしゃる方が多いはず。
私の席は中央から右寄り、右隣にメモ男がいたのですが、大きなホールではないので、目障りになることはなかったです。
薄暗いところでメモとるなんてよくやるよ…と思いましたが、音を立てるのでなければ許容範囲かな?
それよりおしゃべりは困りますよね。

前列に視界を遮る大男ってのも注意する訳にもいかないので、もっと困るシチュエーションですね。
私の知り合いの大男は、腰を前にずらし、後ろの方の迷惑にならないようできるだけ低い体勢に…腰悪くしそうな涙ぐましい努力をしていました。

レスしながら、今思い出しました!
入場の時、他の公演のチラシなども渡されますよね?あの中に「クラシックを楽しむために」みたいなタイトルで、要は「演奏中席立つな、おしゃべりはだめ」とかマナーについて書かれた紙が入ってました。
田舎はクラシック初心者が多いから?
ここは何度も来ていますが、渡されたのは初めてです。関係ないと捨ててしまいましたが、このご時世、クレイマー並に上記のようなことで苦情をいう方がたくさんいるのかもしれませんね。

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