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北斎漫画

2010年12月05日
hokusai

〈展覧会HPより抜粋〉
浮世絵師・葛飾北斎(1760~1849)名を不動のものとしたのが全15巻からなる『北斎漫画』。
多種多様な絵柄をアトランダムにまとめた画集であり、「漫然と描いた絵」とでもいうような性格の絵を集めた画集である。
また、葛飾派を広めるためのテキスト的な性格もあり、また、工芸品の図案デザインの見本帳的な性格も有している。国内においてはたいへんなベストセラーとなり、第10篇で完結する予定が、さらに続篇が発行され、最後の第15篇の初版が刊行されたのは、北斎が死んだあとの1878(明治11)年であった。

初版の版元・永楽屋から明治後期に吉川弘文館へ移り、さらに京都の出版社・芸艸堂の所有となった。
今回は、芸艸堂所蔵の永楽屋以来の伝承版木によって再摺した『北斎漫画』各巻所収の代表的な図柄を額装した作品や版木などの資料など約130点で構成される。


浮世絵の版木は、ある程度刷られた後、版木がリサイクルされるのですが、北斎漫画は初版当時から人気があり、持ち主が変わってもこうして後世に残ることになったようです。
今回はその版木で再び刷ってみるという企画です。
再摺は今回が最後だろうとのことです。
版木の傷みだけでなく、摺り師の高齢化、特注の和紙も後継者がいないのか、もう手に入らなくなるということです。
伝統を継承することは、難しいですね。

もともと和綴じの本にまとめられたものですから、作品そのものは大きくありません。
墨、薄墨(グレー)、肉色(肌色)の3色ですから、浮世絵のような派手さはありません。
しかし、3色摺りとは思えないほどの奥行き、立体感、見れば見るほど、細部までの描写に感嘆です。

本の内容は、なんでも図録、なんでも博物誌みたいな感じでしょうか。
江戸の庶民の暮らし、風俗、見世物、手品、力士、さまざまな職業、動植物、野菜、魚介類、風景、建物、神様仏様…それこそありとあらゆる物。
手足が長すぎる人、あり得ない姿勢、変な動物など、これはいないでしょ?というものもあり笑えるんですが、これは北斎のいたずら心かな?
想像上の動物や幽霊、妖怪みたいのも、そのあとの展示で続々出てきました。

生き生きとした人物描写は、今にも動き出しそう、アニメみたいですね。
レイアウトも完璧で、優秀なアートディレクターでもあったと言えます。
そして、これを描いた北斎の博物学的知識って、ちょっと想像を超える…江戸時代の情報伝達手段を考えると、やはり信じられません。

版木も展示されていますが、うわー細かいっ!って言葉しか出てこない(汗)
彫り師がいて、この緻密な作業ができるのですが、やはり北斎のすばらしいデッサン力、観察眼、そして妄想力か?(笑)…まずそこがすごいとしか言えません。

北斎漫画 江戸伝承版木を摺る
郡山市立美術館
2010年11月13日(土)~12月19日(日)

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